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見出し あめかぜ日記、時々晴

雨水の循環(排水も含めて)を考えるvol.1〜植物の力編

お庭を考える上で気になるポイントの一つとして、「地面がじゅくじゅくしないようにしたい」とか「雨が降ると水浸しになる」など主に排水面での課題を相談されることも少なくありません。

あまがえるのお庭や外構計画では、「排水」だけをクリヤするための方法を個別に考えることはせず、全体の計画の中でいろんな要素と「セットで」その点について検討するようにしています。

排水というと、水を早く移動させるということに目が行きがちですが、自然界ではそもそも植物が雨水の量的な面でもコントロール、調整してくれていることをまずは念頭に置いておきたいところです。

上の写真は、能勢町の弊社施工の店舗(omoyaiという共有スペースの自然素材の服の糸草さんの店前のお庭)のお庭の様子ですが、五年前に植えた木々が順調に成長し、お庭が森のようになり木々の枝葉に覆われて、木陰を作ってくれています。

夏には涼しさをもたらせてくれていますが、もう一つ、今回のテーマの雨水の調整にも大きく役立ってくれています。

このくらい枝葉がしげると、雨が降っても「傘」の役割をしてくれて、地面に到達するあまがえる雨水の量を減らしてくれるのです。

自然界においては、山に激しい雨が降っても、高木、中木、低木、下草、落ち葉層という何層も有る「グランドカバー」によって、地面に到達する雨水の量が制限されているようです。もちろん葉っぱから枝、幹を伝って地面にゆっくり流れ落ちる雨水もありますが、ある一定の量、葉の上から空気中に蒸発する雨水もあり、それにより土の中の水の量が多くなりすぎないように調整されていると言います。

そして地中に入った水は、やがて植物に吸い上げられ、葉っぱから蒸散を日々繰り返すことでも土の中の水量を調整し続けています。

森は自然の水のダムというイメージがありますが、ただ雨水全てを貯め込むにではなく、ある程度入ってくる量の制限もしてくれているということを、同時に知っておきたいと思っています。

植物が層状になってお庭の中でグランドカバーの役割をしてくれるような計画を立てることで、もちろん夏の涼をもたらしてくれるだけでなく、雨水の調整にも役立つということを、あまがえるは重要視しています。

以上のように植物の力、自然の調整機能をお庭の中でも発揮してもらうということが最大の前提として、つぎにお庭全体の計画の中で、どのように雨水を調整、利用するかという方法論を何回かにわたってこちらで書かせていただきたいと思っています。

よろしければお付き合い頂けると嬉しいです😃