あまがえるがコンポストをなぜ広めたいと思っているか?と問われると、堆肥作りができるからということではなく、第一の理由としては、やはり生ゴミを焼却処分する量を、少しでも減らしたいから、と答えます。
あまがえるの木下有日子が、竹パウダーコンポストをやり始めたのは、確か2015年あたりからだったので、かれこれ10年強ということになります。
竹パウダーコンポストは、三田市シルバー人材センターの竹炭班と呼ばれるグループの佐藤さんが、竹林整備から発生する竹の有効利用を検討し続けた結果行き着いた利用方法だと聞いてます。
竹林整備を依頼された後、竹をチッパーによってパウダー化するとそれ自身がすぐに発酵を始めますが、その発酵力を利用して家庭の生ゴミを分解し、堆肥にします。
佐藤さんは、各家庭のコンポストを集めて篩にかけ、草木灰や竹炭をブレンドした竹パウダー堆肥を製作。後々堆肥として販売できる許可を得て、正式に販売することに成功しました。
そして各家庭からコンポスト堆肥を持ってきてくれたお礼に、新しい竹パウダー15リットルと、後に商品化することが成功したブレンド堆肥250グラム一袋をお礼として配るという取り組みを始めました。(取り組み当初は、ブレンド堆肥は商品化されたなく、お礼のための小袋でした^_^)
佐藤さんたちは、このブレンド堆肥250グラム一袋を「利息」ととらえ、この取り組みに「竹パウダー銀行」という名前をつけて、三田市を中心に竹パウダーコンポストを広め、二酸化炭素排出を少しでも抑えるため、コンポストの講習会を開催することを、2015年あたりからスタートさせたのでした。
その際に、あまがえるにも声をかけてくださり、「竹パウダー銀行」という取り組みを三田市内に広めていくお手伝いをさせてもらうことになったのが、私たちが竹パウダーコンポストに出会うきっかけとなりました。
その後、あまがえる木下有日子が、日々の暮らしの中で竹パウダーコンポスト続けていくうちに、あまがえるの事務所を中心に、有日子自身が講師となってワークショップを開かせてもらうようになっていき、今では、三田市外のつながりのある団体などからお声かけいただいて、ワークショップを続けさせてもらうようになっています。
その後、3年前から、三田市シルバー人材センター竹炭班が考案した「竹パウダー銀行」という取り組みにも、決して引けを取らない面白い仕組みを作ってくださったのが、芦屋市立市民活動センターのリードあしやです。
竹パウダーコンポストを行う上で、必ず必要なものが、竹パウダーを入れる入れ物です。(どんなコンポストでもそうですが^_^)当初から、その入れ物として皆さんにも紹介させてもらっていたものが、100💴均一ショップで販売している、洗濯物を入れて洗濯機に放り込むことができるランドリーネットと、その外側を包むように収納するための、不織布のガーデンバックでした。
京都でワークショップをさせてもらった際に、主催者の学生さんのアイデアで、入れるものもエコにこだわりたいという考えから、わざわざ購入するものを使うのではなく、古布の再利用で入れ物を作ってコンポストをすることを講習会の参加者にお配りするようになってから、ランドリーネットやガーデンバックを使わず、できれば参加者の方々にも袋も古布や、いらなくなったエコバッグ、枕カバーなどをアップサイクルして使うことをお勧めするようになっていました。
そこから、リードあしやでの企画では、主催者のネットワークを使って、古布を集めてくれる市民活動グループと、その古布を材料にエコバッグのような形の袋を塗ってくれる小規模作業所を繋いでくれ、「廃棄処分となるものを有効利用してできた袋で、廃棄処分となることもある竹林整備からの発生産物の竹パウダーを使って、生ゴミという毎日家庭から生じる廃棄物を土に還る物にする」という、循環をテーマにした取り組みとなりました。サイクルコンポストという素敵な名前をつけてもらって、昨年まで2年間で9回シリーズで行い、参加してくださった方々をコンポスターズと呼んで、LINEで繋いで情報交換も行いながら楽しい交流の場を持たせてもらいました。
今は、リードあしやでは、廃棄物を減らすきっかけになって欲しいイベント「リリリミーツ」の中の有機物の廃棄物を減らす担当^_^として、コンポスト交流会という形で続いています。
リードあしやのサイクルコンポストでは、一回でも参加された方は、先輩コンポスターズの一員として、次の回以降にもお声かけして参加してもらい、新しく参加された方に体験談、失敗談^_^、成功話を、おしゃべりしてもらってます。
これは、西宮市の船坂のクセマルファームさんの指導、コープこうべ第二地区本部の主催の農とくらしのミライ塾で始まった、半年してからの体験談を振り返りの会で、みなさんが作ったコンポストを披露し合う取り組みが、あまりにも面白かったので、そこから、あまがえるが講習会をさせてもらう場合は、一回こっきりの講習会ではなく、できれば、3ヶ月程度経ってから復習の会、振り返り会をやろうと持ちかけたことで、この形を採用してもらいました。
コンポストは、有機物を分解するだけのことでもあるので、基本的には、失敗という結果には誰がやっても陥ることはない!とあまがえるは思っていて、人それぞれのやり方と、それによる人それぞれの途中経過があるのだと思っています。
その人それぞれのあり様が、まさに個性的でもあり、それを共有しあうことで、いろんな発見もあったなと思わされています。
続けてこられた方々は、まず共通して、ゴミ出しの回数と、一回一回のゴミの量が減ったことに喜びを感じておられます。そして、一旦コンポストが習慣になると生ゴミとして廃棄していたものをゴミ扱いに出来ないという心理に到達^_^するようです。
中には、コンポストの微生物がまるでペットのように感じられて、自分たちが食べているものの一部を微生物に食べてもらうというよりも、微生物が何を食べれば喜ぶかを、ついには考えて自分が食べるものを決める!という方までいらっしゃいます^_^
もはや主客逆転です♪これは、しかしながら腸内の微生物が自分の体の調子を整えていると知った時に考えてしまう心理と似ているようにも思えます。
失敗談にも面白いものがありました。水分が不足気味になると、コバエのような羽虫が発生することもあり(虫嫌いの人は、ここで挫折される関所のようなもの^_^)、その解決方法として、コンポストを冷凍して、虫退治を試みた方もいましたが、これは結果的に失敗で、虫は強いもので冷凍庫の温度では死なずに、また常温に戻ったら復活するという結果が待っていました。逆に、いつも講習会では、温度を上げる対策をとることをお伝えしています。例えば甘いものを食べた時の残りとか、食用油の残りとか、米ぬかなどを投入すると冬には湯気が立つくらいの温度となり、虫もそれには耐えきれず死んで堆肥となってくれます。
コンポストの虫といえば、アメリカミズアブの幼虫と蛹がコンポストに発生することもあります。有日子くらいにベテラン^_^になると、「虫は無視する」ことができるようですが、農とくらしのミライ塾の参加者さんの中には、ミズアブがダンボールでも新聞紙でも、コーヒーのフィルターでも紙ならなんでも食べるということを情報として仕入れられ、実験的にコンポストにドンドン紙を投入された方もいらっしゃいました。(大成功されたとか)
あるいは、こどもさんが夏休みにカマキリを捕まえて、飼われていた時には、カマキリに餌をやらないといけなくなるのですが、コンポストに虫が沸いてくれて餌にすることができたから助かったという方も^_^生き物つながりで申しますと、飼っている猫ちゃんのおトイレの始末にもコンポストを使用したとか、ひとのトイレとしても、防災時には使えないかと考える方もいらっしゃいました。
また、コンポストは挫折しても、お庭の土に、野菜クズなどの植物性の残さを細かく切って堆積させて分解することに変えた方なども。動物ということで申しますと、土に分解させる場合には、動物性のタンパク質ののこりなどは慎重になった方がいいのかもしれません。田舎の方では、米糠を土の上でやっていたコンポストの分解促進のために使っていた方が、米糠だと小動物がやってくることがあったが、竹パウダーだと来なかったという情報も、いただいたこともありました。
あげるとキリがないくらいに、さまざまな経験談を共有させてもらうことが、この10年の積み重ねで出来、あまがえるとしても本当に勉強になったと思っています。
竹パウダーに限らず、有機物は、自然界では放っておいても、生き物、微生物の力によって分解するのですから、先ほども申しましたように失敗はないと思っています。むしろ色んな方法で分解することができるのではないか、と思う次第なのです。
その方法がいかなるものかということよりも、大切なのは、自然の力、微生物の力、生き物の力によって折角循環させることが出来るものを、たくさんのエネルギーを使って燃やして灰にして海に捨てることはないと、どうしても思ってしまうのです。ましてや、生ゴミと呼ばれる食べ物の残りは、ほとんどが水分と言われています。野菜クズなどは90%が水分だとか。つまりはほとんど水を燃やすために石油を使っていると考えると、なんともったいないことをしているのだと考えてしまいます。
世の中には、いろんな方法のコンポストがあるようです。今の私たちの暮らしの中には、生態系の力では循環させられないものもたくさんあり、土にもマイクロプラスチックと呼ばれるそれ以上分解も循環もされないものが、地層になって残っていくのだそうです。なかなか、プラスチックをゼロにすることはできないのかもしれませんが、せめて、土に還すことができるものだけでも還すくらしを広めることができればと考えて、これからも続けていきたいと思います。