イラスト

見出し あめかぜ日記、時々晴

循環型の暮らしの中の地域の木材

日本の国土の面積の67%が森林で、そのうちの約4割程度が、林業目的の人工林だそうです。国土の面積のかなりの割合を占める森林と人工林ですが、そこから得られる恵みである木材について、日々の暮らしにどう関わっているのかを、あまがえるなりに考えてみました。

あまがえるのお庭や外構のプランにおいて、ウッドエクステリアは、時には過ごすスペースの主役という役目、あるいは樹木の背景といった脇役として、はたまた、エリアを区切ったり、風景を切り取るという機能を持った使い方などなど、いろんな形で盛り込ませてもらっています。

そして、18年前から、お庭で使う木材については、丹波市の有限会社ウッズさんの提供の、丹波市の山から切り出され、すぐそばで製材されたものを使わせてもらってます。

具体的には、デッキやフェンスなどの構造的な部材はヒノキ、フェンスやパーゴラの仕上げの部分や補助的な部分にはスギも使っています。無垢のままではなく、タナリスという防腐防蟻剤を加圧注入し、建築で使用するよりも注入の濃度が高い、土木目的で使用する等級の注入のものによるエクステリアづくりとさせてもらってます。

2008年に作らせてもらったウッドデッキがお客様のお庭で作った1番古い事例で、それよりも古いものとして2007年にあまがえるの自宅の玄関階段を作りましたが、まだ、どちらも現役のバリバリで、一度も修理としたことなく、全く傷みがない状態で使用しております。

地域の木材を、どうしても使いたい、という思いを持ち始めたのは、確か2005年ごろだったように思います。それまでは、外国産材の中で耐久性がとても高いとされていた、ウエスタンレッドシダーという木材を使用してましたが、国産材で住宅を作る建築家の存在を知り、その方々の勉強会に参加させてもらい、講師の岸田裕子先生がおっしゃった「日本にも良い木が、たくさんあるんです^_^」というシンプルな言葉が胸にささり^_^、国産材を使うことで、環境の保全、地域生態系の保全につながることや、地域の林業を支えることにつながるという話にも、もちろん心が動かされて、お庭の中でも日本の木を使いたいと思わされました。

今でこそ、スギやヒノキの製材で、しかも防腐処理をされたものが、ホームセンターでも販売されるのを見かけるようになりましたが、20年ちょっと前は、なかなかスギやヒノキの木材を、特にエクステリアの材料として入手できるところは、なかなか見当たらなかった記憶があります。

この近辺の比較的大きな製材会社に、エクステリア用の木材の問い合わせをしても、建物に比べると少量ということもあるからなのか、スムーズにはいかなかったように記憶しています。

そんな中、たまたま三田市の図書館で見つけた、田中淳夫さんの著作「だれが日本の「森」を殺すのか」という本の中で紹介されていた、ウッドコーディネーターという新たな仕事のジャンルを生み出し始めた、有限会社ウッズさんを知ることとなり、早速問い合わせました。

すると、代表の能口秀一さんがすぐに会社や製材所をご案内してくださり、木材を少量から販売し始めてくださいました。しかも、外構部材という新たな等級を作り、建築用の材料としては流通に乗りにくかった木材を提供してもらえました。

近くの地域の木材を使いたいと思った理由の一つとして、近くの山で育った木が山から切り出され、製材所で木材となるまでの流れが、ある程度目に見えてわかる、あるいは想像しやすいということも挙げられます。

外国産の木材にも、高耐久な木材はありますが、どのような森林から伐採されたのか、適切に管理された森林なのか、大量に伐採されて生き物の住処がなくなるという話も取り上げられらケースもありました。樹木を大量に切り出しすぎると、場所によっては元の森林には戻らないというケースも聞いたことがありました。

ニュースや記事だけでは、本当なのかどうかわからないこともありますが、少なくとも近くの山から切り出される地域材が、どのように環境に影響するかは目に見えやすく、外国産材よりも使っていいか悪いかの判断がしやすいと言えます。

あまがえるは、ヒノキもスギも加圧注入による防腐処理をしたものを使っています。樹種によって、圧力をかけても中に防腐剤が浸透しにくい樹種もあるようですが、スギもヒノキも比較的内部に入り込みやすい樹種のようで、加工中にカットした面を見ても中のほうに深く入っていることがよく分かります。特に、スギは深く注入されています。

今のところ、1番古い施工事例が2008年なので18年経っていますが、まだ傷んで修理するという事例が全くございません。木材を長く使い続けることは、炭素を長く固定することになるという見方があるようで、お庭の中のウッドエクステリアを長く使える木材で作ることは、気候変動、気候危機の緩和につながると言えるということです。

加えて、地域の木材、近隣の山から切り出された木材であるということは、当然輸送に使う燃料の総量が抑えられるのですから、さらに二酸化炭素の排出を抑え、気候危機対策に繋がっています。

そもそも、木材でできるエクステリアは、できるだけ木材で作ることによって、森林が若返ることとなります。樹木は、樹齢が若く成長率が大きいほど、二酸化炭素を吸収する量も比較的多いらしいので、森林が若返ることも、やはり気候危機の緩和につながるのだそうです。

であれば、木材でできるものは、可能な限り木材を使って、それも近隣の木材を使ってつくるという選択をすることで、生態系保全をしていることになると思っていいと考えます。

お庭の中でどういう過ごす場所を作るか、その選択によって、生態系にプラスになるかならないかが分かれるのと同様に、全ての買い物が、その選択によって生態系にとっていいことか、よくないことか別れ道になっていると考えられるのだろうと思っています。

ものを作る立場の人は特に、もちろんユーザーの立場に立った時も、どこでどのように何を使って作るのか、作られたものなのかを考えることが、「生態系の中で暮らす」ということになると言ってもいいのではないでしょうか。^_^

お庭の中だけでなく、小物でも、家具でも、もちろん住宅であっても、地域の木材をつかって作られたものを選ばれた時に、ぜひ想像してみてください。地域の山において、木を切った後に、林業家が100年後を見据えて若い苗木を植える様子を。そして、その苗木が、育っていく過程でたくさんの二酸化炭素を吸収して酸素を作ってくれるということを。さらに100年後の未来に、次の世代の林業家が、おじいさんが植えたその木を、次の100年のことを視野に入れながら「さあ、どの木を製材に回そう。」と見上げる姿を想像し、生態系の大きな循環の中に今のこの時が組み込まれているのだなあ、と日々の暮らしよりも長くゆっくりとした時間の流れにも思いを馳せてみるのも、なかなか楽しいもの!かも。^_^