omoyaiさんのリノベーション工事についての続きです。vol.1では石の使い方について書かせて頂きました。
今回は石工事以外の部分ですが、テーマはvol.1と同じく、
「あるものを使って作る」です。
「あるもの」が意味するもの。
①現場にもともと「あるもの」を使う。
②すでに「ある構造物」を再利用する。
③お庭だけでなく、周辺の地域に「ある材料」を使う。
という三つが挙げられます。
例えば①については、vol.1で紹介させてもらった石が当てはまります。
今回は②の「すでにある構造物を使う」に当てはまる内容のご紹介させていただきます。
早速ですが、下の写真を見ていただくと〜
こちらの写真は、入り口付近の既存のブロック塀を横から撮ったもの。
計画の段階で、オーナーさんから相談を持ちかけられた時には、ブロック塀を
残すという前提でした。イメージを変える方法としては、左官材料などで仕上げるという事も考えられるのですが
左官壁では、よく見かける感じになりそうなので、別の方法を考えました。
結果、ブロックはそのままにしておき、植物でイメージを変えようということに。
写真のように、天端に芝生をかまぼこ状に盛るように植えつけました。 (鉄のフレームを作って)
そして、芝生からにょきっと突き出すように看板も設置。(近藤さん作)
さらに、壁面については、
右の写真のように、木で小さなプランターを作って、そこにツタを植えつけました。
ゆくゆくはツタがブロック塀全体を覆ってくれます。その頃には、木材のプランターも存在感が薄れることでしょう。 植物の生育とともに、緑の壁に生まれ変わるブロック塀。その変化も楽しんでもらいたいと考えます。
場所が変わって、次の写真です。何かわかりますでしょうか〜?
わかりませんよね!これは、古井戸です。
元の状態は、マンホールで閉じられており、 井戸としての存在感が全くありませんでした。 (下の写真)
そこで、枕木で井筒を作り、鉄作家の近藤さんに蓋を作ってもらい、井戸としての存在感を持たせることに。ポンプをつければ、実用化させることもできます。
蓋にはロゴを透かし文字で入れてもらっています。塗装はせず素地のままで、やはり経年変化を楽しもうという考えです。枕木とも調和がとれているように思えます。周りに草が生えてくると、さらに優しい感じになるはずで
最後の写真は、構造物そのものではなく、「構造物の一部分」であったものと言えるでしょうか。古材の梁に、やはり近藤さん作の鉄の脚を取り付けたベンチです。
いかがでしたでしょうか?
ブロック塀についても古井戸についても
鉄という素材や、木材と植物という素材を添加することで
生き返ったように見えれば、嬉しいです。
潰して作り直すよりも、やはり環境面にも経済面にもプラス効果をもたらします。
井戸については、オーナーの長尾さんとしても、いずれは実際に使いたいとのこと。
そうなればさらに、楽しい空間になりますね。
井戸を適度に使う事で、地中の水の流れも生き返るので、地域の水循環にとっても
プラスになる可能性も考えられます。
さて、今回はここまでといたします。また長くなりましたが、おつきあいありがとうございます。
次回はvol.3「地域にあるものを使う!」というテーマで締めくくりたいと思います。
またお読みいただければ嬉しく思います。
よろしくお願いします。
あまがえる