11月20日、思い切って前々から見学したかった福岡市にある商業施設のビルに行ってきました。アクロス福岡という名前の建物で、ビルの南面の階段状になっている、各階のテラス床面が植栽エリアになっていて、遠目に見ると、まるで山のように見えます。

下の方から見ると、ビルの建物に植栽された樹木が育ち、山の木々のように豊かな緑になっているのが、比較的わかりやすいでしょうか。


建物には、外側部分の階段を使って、森のようになった植栽エリアの中を回遊することができました。
この建物の緑化のデザインは、あまがえるがみなさんに紹介させてもらっているバイオネストを考案、命名されたランドスケープデザイナーの田瀬理夫さんです。完成してから30年経っているということです。
完成した時には、遠目に見てみると、ビルの壁も見えるほど幼い樹木群だったとのことですが、今は、植えた樹木のみならず、鳥が飛来しタネを落とすなどして勝手に生えた、実生の木々がたくさん増え、種類も樹木の本数自体も、大きく増加しているらしいです。

写真は、樹木の足元に見られるコナラという木の芽生えです。現在においても、このように新たな芽生えが無数に見られ、まだまだこの森のようになったビル緑地の樹木数が増え続けそうです。
また、写真を再度見てもらうと、お分かりいただけると思いますが、地面は落ち葉に覆われていて、腐葉土化していってます。

自然の森のように、日々変化しているように感じますが、放任されているわけではなく、定期的にお手入れもされている様子も、見てとれました。上の写真の地面に、田瀬さんが命名されたバイオネストが見られるのがお分かりでしょうか。^_^このように各階の林床には、その階で剪定や間伐された枝葉や、幹の一部を使ってバイオネストがつくられていました。
この写真を見ても、ここが奥行き約6メートル程度のテラスで、地面の底はコンクリートスラブになっていると思えない風景なのです。
この建物の緑化の様子を見学させてもらって、あまがえるが大切にさせてもらっている有機物の循環が、改めて重要なことだと再認識させて頂きました。
ビルの外部の床面という、極めて人工的な環境が、年を重ねるごとに、自然の森が変化するような変化の仕方をしていく様を見させてもらい、自然環境は、生き物の力、生き物がそこで生き死にを織り重ねていくことで出来ていくことをまざまざと見せていただいた気がいたします。

ビルが立ち並ぶ、福岡市の中心部で、豊かな生態系が育ちゆく様子をまたいつか見に来たいと思わされました^_^
