一年に一度、年末年始にかけて植木用のハサミを全て、研ぎに出します。
常日頃も、簡単に自分で研ぐのですが、それでは、ハサミの歪みなどが直せないからです。
お願いしているところは、播州刃物の産地、兵庫県の小野にある(株)吉岡刃物さん。
植木屋さんには、鋏政宗というブランドでよく知られている会社です。
戻ってきたものを使ってみると、両方の刃が絶妙に重なり合う感触が、手に伝わってきます。
自然界の木はもちろん植木屋さんが剪定するわけではありません。
つまり、庭木であっても、木にとっても見れば剪定されなくても育つはず。
しかし、人の暮らしの場で育っていくには、スケールであったり、育つスピードであったり
花のつきかたであったり、色々とコントロールすることが必要になるので
剪定をすることになるのです。
僕が尊敬する庭師の一人、東北の福岡徹さんが、ある高名な庭師の言葉を引用されていました。
「剪定する場合は、木にとって、どこを切られたかわからないように切る」のが上手い切り方だと。
よく切れるハサミで剪定する理由として、切断面が綺麗だと、
傷口が早くふさがるということが言えるんだと思います。
人間でも一緒ですよね。
料理を作るにしても、包丁の切れ味によって、刺身の味も違うという話も聞いたことがあるような気がします。
吉岡刃物さんの丁寧な仕事によるハサミは、木にとっても必ず負担をかけないと思えます。
手仕事だからこそ、成せる技と言えます。気持ちもそこにはこもっています。
最後に、吉岡刃物さんは、包丁も研いでくれるんですよ!
一本1000円もかからないので、植木屋さんだけでなく、ご家庭で使う刃物(布切りハサミも!)
をお持ちの皆様にも、一度研ぎに出されてみることを、お薦めいたします!
よ〜〜く切れますよ〜〜〜。