今日は、おばあちゃんの考え方でメンテナンスしていたお庭を
お孫さんが受け継いで、あまがえるがお世話をさせてもらうことになった
お庭のメンテナンスの様子をお伝えします。
お伝えしたいことを二つのポイントにまとめました。
まず、一つ目のポイント。
「お庭の木々、形は大きく変えないで受け継ぐ!」
つまり、木を抜いたり、庭の作りを大きく変えたりしないということ。
よくあるパターンは、「松の木が大変なので、抜いてしまって、そこを駐車場にしよう!」という感じ。
もちろん、世代が変われば、ライフスタイルや好み、価値観が変わるので
そうゆうことも一概に否定はできません。
しかし、あまがえるが嬉しいと感じたのは、
今回、次の世代に受け継いでいこうという「お気持ち」に出会えたこと。
これが、下見の段階の写真です。
二つ目のポイントは、
「時代とともに、そして世代交代とともに変化させるところは、思い切って変える!」です。
一つ目のポイントと矛盾しているようですが、
例えば、伝統文化の歌舞伎(僕たち夫婦は実は歌舞伎ファン!)
でもそうらしいのですが、同じ演目でも今の時代に合わせて、演出方法を絶えず変えているとのこと。
「伝統を受け継ぐということは、時代に合わせて変わっていくということだ」
ということも、聞いたことがあります。(変えては行けないところと変えるべきところが同居しているということでしょうか)
では、どこが変わったのか?(これも二つにまとめると)
①剪定方法
②土のあり方
です。①を簡単に申しますと、「刈り込み」から「透かし」あるいは「枝抜き」に変えました。
②を簡単申しますと「掃き清める」から「落ち葉も草も生かす」へ。
今回のブログでは、②の方に絞って、見てもらいたいと思います。
おばあちゃんの考え方でのメンテナンスは
写真のように綺麗に草を抜き取り、まさにチリ一つない状態です。
一見とっても整っていて、綺麗に見えます。
これも、日本人が持つ「美意識」の一つで簡単には否定すべきではないのだろうと思ってます。
「掃き清められた」土の部分は、しかし、写真のように土の表面が
セメントで固めたかのように、硬いマクができてしまっていました。
(土にダイレクトに水が当たるとこのようになります。水文学ではクラストというらしい。)
このことが、お庭全体の水の染み込みを悪くし、空気の出入りを妨げます。
ひいては側にある木々の根の張り方を悪くし、木々の元気を奪うことにつながります。
さて、今回の依頼者のお孫さんは、農業をされていますが、田んぼは無農薬で草もぼうぼうとか。
農薬の怖さ、食品添加物の怖さを訴える立場に立たれておられ、お庭についても
今までのやり方を変えていきたいと考え、縁あって私たちに声をかけていただきました。
今回の作業では、この土の部分をほぐし、さらに高低差をつけ、
土の中の水が染み出す部分(溝や穴)を作り
そこにイブキジャコウソウという這う草を植えました。
そして、最後に土に直接雨水が当たらないように、バーク堆肥で土をカバーします。
今後は、時間とともに、草が覆ってくれることと思います。
そうなれば、木々も新しく根を伸ばし、元気になり。
お庭全体が潤った、優しい感じなっていきます。(相乗効果!)
同時に、そこに落ちた落ち葉や自然に生えてくる草も、
見た目に気にならなくなってくることも期待します。
作業中、おばあちゃんもは時々少し不安げに、変わる様子を見ておられました。
そして作業が終わった時、お孫さんもおばあちゃんに寄り添い、
お二人でお見送りしてくださいました。
私たちも、おばあちゃんに見守ってくださいという気持ちを込めて、ご挨拶。
こうゆう形で受け継いでいくということは、先代にとっては不安もあるかと思いますが
その分、きっと受け継ぐ側は「いいお庭にしていきたい」という気持ちが強くなるんだろうと考えます。
見送っていただき、私たちも「これからも頑張らなあかんな!」と身が引き締まる思いで帰路につきました。