これも一つの剪定への考え(古民家の庭)

あまがえるの剪定のテーマの一つに、「古民家の庭木を次の時代にどう引き継ぐか」というものがあります。広いお庭があって、大きな松やマキ、玉状に仕立てた木々がたくさん植っているというケース。しかも世帯主が高齢化してきて、お世話がだんだんしにくくなってきたとか、世帯主が代替わりして世話にかかるコストを抑えたいといったケースが、少なくありません。

結構聞かれる話は、木々を切って、手入れをしなくてもいいようにしてしまうことです。

あまがえるとしては、なるだけ切って無くしてしまわずに、次の世代、その次の世代と受け継いでいってもらえるようにしたいと考えます。

そうするためには従来の方法ではないお手入れのあり方が求められます。そういった考え方も色々とあるかと思われますが、そのうちの一つとして当方の提案を受け止めていただければ幸いです。

今回は篠山で最近行った剪定の様子から一部見ていただきます。

まずはこちらの松です。こちらのお客様曰く、手間がかかっていた木々の代表としてこの松(他にも5本あります) と、この後見ていただくキンモクセイ(この他にも2本あります) をあげておられました。

松は下から切ってもらってもいいとのことでしたが、今回は門の上にかぶっている部分を切らせていただき、枝を間引くことで、今後のお手入れを軽減させる。しかも松の従来のお手入れ方法(松揉み)ではなく、雑木などで行うように、枝を切って数を減らす方法で、軽やかにしました。

上が仕上がった後の姿。今回もおそらく従来の「松もみ」によるお手入れの時間に比べて半分くらいの時間で済んでいると考えられますし、来年以降もそれくらいか場合によってはそれ以上に時間をかけずに済むかと考えられます。

次にこの写真の真ん中の大きな木、キンモクセイですが、こちらも今まで行われていた「ま〜るく」刈り込むお手入れの仕方を変え、枝数を減らす方法も検討しましたが、今回は思い切って株の下の方で伐採しました。下の方から「ひこばえ」と呼ばれる「若い小枝」が何本も出てきていましたので、それらを今後は伸ばしていき、もう一度育て直していくという、思い切った選択をしました。

これは、萌芽更新という里山で以前はずっと行われてきた方法で、10〜15年程度で太くなった幹を切って、また育て直すことを繰り返す方法です。里山では、この方法で幹を燃料にしてきました。今回も太くなった幹を薪ストーブの燃料に使うことになりました。

上の写真の真ん中あたりに、下からひこばえが吹いているキンモクセイの切り株があります。(お分かりいただけますでしょうか?)これから少なくとも3年程度は全く手をつけずにどんどん伸ばしていき、その後の数年も気になるところを少し切る程度で済むのではないかと考えています。

これらの他の木々も(松や金木犀も含めて。)刈り込みなど従来の方法ではなく、枝を間引くやり方に変えていきます。(下の写真が全て仕上げた様子。刈り込みのまあるいツツジなどは、中の枝を透かしています。分かりにくいですね。笑)

 

一気に変えていくことは難しいですが、今回行った次のお手入れ、その次と一回一回のご負担を今まで以上に抑えながら、なんとか全体の雰囲気を軽やかで柔らかい感じに変えていく方向でお客様とも意見を一致させることができています。

負担を減らしながら、お付き合いしていく選択が一つでも増えていけば嬉しく思います。