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見出し あめかぜ日記、時々晴

高槻市の公民館での仕事(@今城塚公民館)前編〜はにわガーデン編

2月23日と3月1日の二日間で行った、
高槻の公民館の花壇、植栽スペースのリフォーム工事の様子です。
この工事は、あまがえるが所属する(一社)まち杜の環というグループ
が依頼を受けたものです。

元々、公民館で活動するボランティアグループが主に植え付けなどを行っていた場所で、「テーマ性が欲しい」「植えているアジサイの生育がよくない」
といったご希望もあって、まち杜の環に相談を持ちかけていただきました。

今回のこのブログは「前編」ということで、一つ目のご希望のテーマ性についてまとめさせてもらいたいと思います。

こちらの公民館は、今城塚古墳のすぐそばに建てられたものです。敷地のお隣は今城塚古墳公園で墳丘や古墳歴史館という施設もあるという立地。そういったこともあり、活動グループや公民館から寄せられたご希望は、花壇のテーマとして
ずばり「古代」を思わせる植物を植えたい!ということでしたが、
これは、なかなか難しい!

なぜなら、その時代にどんな植物がこの地域に見られたかということの「記録」が
そう簡単には探せないからです。古い時代の植物の記録といえば、「万葉集」が思いつきます。

そこで、色々と調べたり、たずねたところ、結果行き着いたのが、
万葉集にも書かれ、この地域に自生していたとされる

「カワラナデシコ 」を植えよう!
という選択でした。花の主役はひとまず決めましたが、

このスペースのもう一つの課題は、ずばり埴輪です。元々埴輪が飾ってあり、その周りにガーデニング用の花苗を植えていた場所でした。さあ、埴輪の置物という存在感のあるものと植物をどうマッチさせるか。結構難しいポイントですよ!

そこで、まち杜の環所属で今回のこの場所のトータルデザインを担当した福元敬子さん(おうちまわりデザイン代表)のアイデアで、古墳の法面を保護するためにしていたような「石積み」を作ろうということになりました。写真がその様子。

 

 

石積みをしているあまがえる木下ユカコ。歴史館の展示の石積みのポーズで撮影。笑

高槻今城塚公民館リフォームプロジェクトのデザイン担当の福元敬子さん。

石積みに使ったのは、本来ならこの地域で入手できる石が良かったのですが、それもなかなか難しく、(川で集める!という案もありましたが、今は難しいのです) 結果的には、あまがえるがいつもお世話になっている東灘区のNPO法人「石の銀行」の御影石を使わせてもらいました。

積み方は、隣の歴史館の展示を参考に。(詳しくは、歴史館に行ってみよう!)

で、最終的にどうなったかというと〜下の写真はビフォーアフターです。

石積みの上の緑はリュウノヒゲ です。これも、根拠があります。古墳の時代には常緑の森が広がっていたということで、影でも育つような草が足元を覆っていたはず!ということで、その中で、今入手できるものを選んだというわけです。(当時の植生を再現しているというわけではないです。)石積みの裾には河原を思わせる川砂利を敷き、その周りをカワラナデシコ が群生しているという風景。

自然な風景の再現というのではなく、根拠を古き時代に絞って、今を生きる私たちがデザインしたという風に捉えていただくと嬉しいです。春以降の様子が待ち遠しいですね〜。残念ですが、今はコロナウイルスの影響で公民館自体が閉まっており、一般の方々になかなか見ていただけていないと思われます。落ち着いたら、ぜひ見学に行ってもらえたら嬉しいです。

後編は、もう一つの希望、「アジサイ の生育が良くない」というスペースをどう作っていったか!?を紹介させていただきたいと思います。

では、また来週(?)!