敷地をオープンガーデン(公開緑地)に!(東京練馬区の実例)

先週の金曜日(10月26日)に東京都練馬区のあるお庭を訪問してきました。
東京都に先代から譲り受けた300坪の敷地があったら、どう使うか?
Oさんが取られた選択が、一部を地域の人がいつでも
緑あふれるこの庭を楽しめる「オープンガーデン」
にすることでした。

敷地内には樹高が15m〜20mはあろうかと思われるモミジがあります。
もともと武蔵野の雑木林だったこの一帯の名残だそうです。
Oさんはこれらの木々を「先住民」と呼ばれます。
「私たちが後から入った」と。
この林の他に敷地内には母屋と二階建てのアパートの建物。
車を停めるスペースは一切ありませんでした。
今なら、アパートを建てるのなら間違いなく、アスファルトを敷き詰めた駐車場を作り
申し訳程度に数本木々を植えるくらいでしょうか?

武蔵野の林をそのまま残し、控えめに建物を建てている感じは、「先住民」である林に
「間借り」をさせてもらっているかのよう。
それを、当代のOさんが、今度は一部を解放緑地にするという選択。
本当におおらかです。


今の時代、街路樹の木々の枝が敷地内に「越境」したとか、
お隣に木の枝がはみ出したことを気にされる方がとても多いです。
これは日本人の美徳とも言えますが、少し見方を変えると
少しお互いに「しんどい」ライフスタイルとも言えます。
お互いに木々の枝葉をある程度伸びやかに育てていき、街の緑が豊かになれば
お庭の風景の広がりを感じることもできるかもしれません。

このお庭の計画を作られたのは「まちに森をつくって住む」や「不動産の価値はコミュニティで決まる」
の著者の甲斐徹郎さん。まちの緑を豊かにすることは
環境面ではもちろん、経済面でも得することが多いとおっしゃっています。

このお庭は国土交通大臣賞を受賞しました。
まちに緑を残していこうという考えが評価されたのだと思います。
もし、300坪の敷地があれば、建物と目一杯の駐車場と申し訳程度の木々ではなく
控えめの建物と豊かな緑だけ、そして、コミュニティが集える時間と空間。
を創るという選択がもっともっと増えていけばいいなあと思いました。

最後に、Oさんは「この空間を作ったことで、たくさんの出会いができた。こんな
暮らしになるなんて思いもよらなかった。今度は、甲斐さんのオフィスの屋上にある
ミツバチの巣箱を見学に行ってきます。そして、来年は巣箱を設置してみようと思ってます。」
とおっしゃいました。どんどん広がる暮らしの豊かさを感じさせられました。


入り口にかけられている「今見ごろの花」の掲示板。