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大切にしていること

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あまがえるが庭づくりで⼤切にしていることを、とある3家族のお庭の物語とともにお伝えしていきます。
⾒た⽬のデザインではなく、むしろ、⾒えにくいところのデザインを⼤切に考えていることが伝わると嬉しいです。

policy #2庭づくりは、⾃然と共⽣する暮らしづくり

植物の⼒を信じて、⾃然に戻してゆく⾵景−吉村家の庭(三⽥市)

ご⾃宅の庭を、⻄洋の伝統的な品種「オールドローズ」を中⼼にしたローズガーデンとして維持されてきた吉村勝⼦さん。バラを育てるのは、とても労⼒が必要です。共通の知⼈を通して勝⼦さんから最初にご相談を受けたのは、「庭の中に道をつくりたい」ということでした。2012年のことだったと思います。それからの⻑いお付き合い。春〜冬(3〜12⽉)に⽉1回のペースでお邪魔して、庭づくりやお⼿⼊れをさせていただいています。内容については、基本的にお任せしてくださっていて、吉村さんができる作業は、あまがえるは⼿をつけずに吉村さんに委ねる。そんな暗黙のルールになっています。

勝⼦さんは、剪定も肥料を与えることもきっちりと続けて、多くの美しいバラを咲かせてこられた⽅ですが、年齢を重ねるごとに庭での作業が⾟くなり、次第に⼿がかけられなくなったそうです。ところがある時、庭に出てみて、あまり⼿を⼊れていなくても元気に咲いているバラを⾒て、このまま⾃然に任せていってもいいのかな、そういう庭との付き合い⽅も良いのかなと思うようになったと話してくださいました。

あまがえるが⾏っていることは、⾜し算ではなく、庭にあるものや⽣えてくるものを活かした庭づくりです。プラスチックの鉢は無くして宿根草を地植えにしたら、毎年元気に咲いてくれます。歩きにくいところは刈込みをしますが、雑草や笹もある程度は残しています。施肥はせず、たまに⽵炭をまくくらいです。バラも、もちろん変わらず以前にも増して元気に咲いています。

あまがえると出会う前に、ご⾃⾝で植えたスモークツリーの⽊陰に座る、吉村勝⼦さん。

あまがえるの考え
庭をひとの暮らしに役⽴つ場所に

ひとはなぜ、植物を求めるのでしょうか。⾝近なところに植えるのでしょうか。あらためて、そんなことを考える機会は、⽇常の中ではほとんど無いと思いますが、逆に、植物がまったく無いところでの暮らしを想像したら、どうでしょう? 殺⾵景、物⾜りない、癒されない・・・。多くの⼈がそう感じるのでは無いでしょうか。また、樹⽊は、夏に⽊陰をつくったり、騒⾳や排気ガスを和らげてくれたり、⾝近な環境を整える役割も果たしてくれますし、⼤きな視点で考えると、森林や野原は、⾵⽔害や⼟砂災害、⽕災などを防ぐ効果もあり、広いエリアの環境も整えてくれます。

植物や樹⽊とともにある⽣活は、⾝体的にも精神的にも健やかさをもたらしてくれますし、植物や樹⽊は、ひとの暮らしを根底から⽀えてくれるものと⾔えると思います。あまがえるは、植物がもつパワーを活かし、そして、ひとの暮らしも植物のパワーに⼒をもらえるような庭づくりをめざしています。

ひとの暮らしに役⽴つ庭をつくるポイント

1.⾏き来をスムーズにする。

縁側の設置や曲線的なゾーニングで、庭と家の⾏き来や、庭の中での⾏き来をスムーズに。

2.⽊々を利⽤して住環境を整える。

⾼⽊で陰を作ったり窓からの⽇差しを和らげたり、⽊⽴による防塵、暴⾵、防⾳を考える。

3.⾷べものも採れる庭に。

実のなる樹⽊を植える。家庭菜園をつくる。

4.燃料も調達できる庭に。

コナラやクヌギ、カシなど、薪として使える⽊を植えたり、使い続けられるように適切な剪定を⾏う。

庭は、成⻑していく空間です。⽇々のちょっとしたお⼿⼊れで庭は暴れることなく伸びやかで気持ちのいい空間に成⻑していきます。そのお⼿⼊れも楽して(⼿を抜いて)、ひとの暮らしの「ため」になる⽅法があります。ご家庭でも実践出来ます。お⼿⼊のみのご依頼の場合も、あまがえるの考える「ため」になるお庭の付き合い⽅を実践した⽅法でさせていただいています。

楽して「ため」になる庭づくりは、⾃然の⼒を⽣かして育てる庭づくりです。

  • ⽊々は剪定しすぎず、伸びやかに育てます。
  • 芝⽣は原っぱだと考えておおらかに育てます。
  • ⾃然に⽣えてくるもの〜雑草もある程度は⾵景として取り込みます。
  • 肥料に頼らず、⼟そのものを育てていきます。

3通目へ続く