土について
土について
2014年9月11日木曜日
三田に限らず、ニュータウンなど造成された宅地では植木が育ちにくいと感じられている方々は少なくないと思います。植物が元気に育つ為には、いろんな要素が必要ですが、いい土であるということは必要不可欠であることは、容易にイメージできることだと思います。
造成された敷地内の土は表面には真砂土がうっすらと敷かれており、その下はいかにも水はけが悪そうなかたーくしまった粘土質の土になっていることが多いように思います。
では、どういう土であれば植物が元気に育つのでしょう。
姫路にあるリビングソイル研究所の西山さん(写真)のことばをかりると、土の中の生物が活発に生きてゆける土であることが、植物にとってのい環境ということになるようです。
植物の根は土の中の無機質を養分として吸い上げる役割を担っていますが、根の周りには例えば菌根菌(きんこんきん)とよばれる微生物がたくさん生きており植物の根から糖分をもらうかわりに土の中の無機養分を根の周りに集め根の養分の吸収を助けているというのです。
(いちばんん解りやすい例が、アカマツと松茸の関係です。)
つまりは、根っこだけでは吸収できない養分を微生物の助けを借りて吸い上げているということになります。ですから、植物を元気に育てる為には、微生物が土の中にいること、そしてその状態が続いていくことが求められるということになります。
微生物は落葉や枯れ枝などを食料としなければ生きていけませんから、真砂土のように砂高の状態や、空気も水も通らないようなその下の粘土だけでは当然微生物も生きては行けないということです。
写真は今日の剪定の現場の様子です。落ち葉や枯れ枝が土の上に残っています。お庭のお手入れをご家庭で行う際に、特に秋から冬にかけては落葉樹の落ち葉をかき集めて処分しないといけない、という風に思われていらっしゃる方々が少なくないとおもいます。業者の方でも、落葉を一枚も残さず「きれいに」掃除する場合も少なくないと思いますが、今年の冬からは、是非落ち葉掃除して処分するということはしないでおきましょう!
落ち葉がなくなってしまうということは微生物にとっての食べ物がなくなってしまうということになります。落ち葉は土をよくする為の資源と考え、土の上に残しておくようにすると必ず土はよくなってゆくはずです。レンガ敷や石のテラスや小道などの上に落ちた葉っぱは掃き集めて
土の上に戻せばいいと思います。
もし、たくさんの葉っぱになりすぎたと感じられたら、一カ所に集めて積んでおき、春までそのままにしておいて来春以降にまた、土の上にかぶせてもいいかとおもいます。
バケツや袋を使って堆肥にする方法もあるようですが、いきなり難しければ、上のようにするだけでもだいぶ違うと思います。
これからは、秋に落葉がはじまれば、土をよくする資源が降って来たと思って下さいませ。
土がよくなれば、木々が元気になり、病気や害虫にもやられにくくなりますので、よりお手入れもやり易くなるはずです。
いいことずくめの落ち葉の利用、始めたいものです。 (あまがえる)