デッキの修復工事
デッキの修復工事
2013年11月8日金曜日
屋根付きのデッキが終わり、次の工事は傷みが進んできたデッキの修復です。このデッキは、あまがえるが作った物ではなく、建物を建てた際に作られたもので、十数年は経っているかというものでした。材料は、十数年程前にはよく使われていたSPFというツーバイフォ―建築の材料としてよく知られている木材で、おそらくは防腐剤を加圧注入してあるものです。SPFというのはスプルス・パイン・ファーの略で北米のマツやモミをひとまとめに称した物です。これらは、構造材としての強さは持ち合わせていても、外で使用するに絶えうる耐久性は持ち合わせていない為に、防腐処理をしてデッキ材として使われていました。
防腐材を木材の繊維にしみ込ませる処理をするのですが、木材の性質として圧力をかけても薬剤がしみ込みやすい物とそうでない物があります。スギやヒノキで申しますと、スギは非常にしみ込みやすい木材でその点ではヒノキに勝っております。このSPFに関しましては残念乍らヒノキなどに比べてもかなりしみ込みにくい木材と言える様です。ですので、年数が経ってひびなどが入ると薬がしみ込んでいない部分が表に出てきてしまいます。そのヒビなどに水が入り込み、常に湿った状態になってしまうと、そこは耐久性の弱い無垢の部分ですので腐りが起きてしまう可能性が高くなります。
写真は傷んだ床下の部材の様子です。今回は、この床下の部材も床板もヒノキの防腐処理材(右写真)に取り替えます。
防腐剤がより深くしみ込むスギとそれよりもしみ込みにくいヒノキを比較した場合、スギの方が耐久性が高いようですが、無垢のヒノキとスギを比較するとヒノキの方が耐久性や耐蟻性も高いです。ヒノキもスギに比べると薬剤はしみ込みにくいとぐはいえ、かなり深くしみ込む木材ではあります。そこで、あまがえるでは、デッキ材には、無垢の状態の耐久性の高さとあわせてスギではなくヒノキを使うことにしております。
材料選びも大事な要素ですが、デッキの耐久性をあげる為に作り方にも気をつけなければならない点があります。木材は、濡れてもすぐに乾けば、腐る心配はかなり和らぎます。「腐る」というのは腐朽菌という生き物が木材を餌として「食べていく」事によって起こる現象の様です。この生き物が生きる為に必要なのが「空気」と餌である「木材」と「水」なのです。木材と空気を無くすわけにはいけませんので、水を出来る限り供給しないようにすることで、腐朽菌が生きにくい環境にすると木材を腐らせる事無く、長く使い続ける事ができます。木材と木材が接している所は水が一端入り込むと非常に乾きにくくなる部分です。ですので、構造的に必要でない部分は、出来る限り木材と木材をビスなどでとめずにすき間をあけておくことにしています。また、接合部で水が入る可能性がある所にはコーキングを施して水を止めるようにしております。
もし、ウッドデッキをお考えならば、ウッドデッキは雨風にさらされる物であるという事を強く認識し、材料選びと作り方を考えた物を選ばれる事をお勧め致します。ヒノキだけでなく他にもいろんな耐久性の高い木材もありますし、床下をアルミ部材にするという方法もあります。(あまがえるでは、南洋で切り出される輸入木材は使用しておりません。)又、屋根をかけるという方法もございます。
一度つくったら長く使ってゆけるものになるようにしてゆければと思いますので、これからもより良い方法なども考え乍らデッキを御提案させて頂きたいと考えております。 (あまがえる)