東京の続きです。(仙石山森タワー)
東京の続きです。(仙石山森タワー)
2013年10月24日木曜日
先週に引き続き東京旅行(一応、視察という名目!)で見た物の中で印象に残った所を見て頂きます。左写真ですが、これは仙石山森(せんごくやま もり)タワーというマンションやオフィス、店舗などが入った複合施設と申しましょうか、関西で申しますとどういった所にあたるでしょう、(ピンと来ないので軽はずみに申しますのはやめときます。)とにかく、高〜いビルが林立しビル群に囲まれた公的な空間(公園でもないけども外部の物もふらっと入れるスペース。きっと欧米のスクウェアみたいな感じ(?))が広くとられ、それらを囲んで商業スペースなどもあったりするような一つの街(?)と言ってもよさそうな建物群にある、中庭なのです。(長い文章ですみません)こげらの庭という名前がついていました。
ちなみに森タワーの「森」は、森のような空間を作っているからといったような理由でついているのではなく、ご存知の方はお出ででしょうが、かの有名(ですよね)な「六本木ヒルズ」などを開発しているデベロッパーの森ビルという会社が作った物だからついている様です。
少し写真を見て頂きます。
上の写真は仙石山森タワーに迷いこむ前に通ったアークヒルズ(ここにはサントリーホールがはいっていました。やはり森ビル開発のようです。)の中庭空間からのぞむ滝とメタセコイヤの巨木とそれよりも遥かに高くそびえる背景のビル群。右は仙石山森タワーに続くタブの木の植生を模した外回りの植栽。(これもこの地域の自然植生に沿って作られているそうです)
このように、この界隈をぶらっと歩くとスケールも、内容もやっぱり首都東京はちょっと違いますな〜、とおもわされました。この辺り、庭の業者としてはどの様に季節の管理をしているのかも見てみたいということもあって、又、機会があれば訪れてみたいな〜とおもう場所です。
以上で東京見物記を終わります。(あんまりおもしろくなかったかも。すみません。)また、来年(?)再来年(?)わかりませんが近いうちにいってみたいです。 (あまがえる)
この仙石山森タワーがある場所を申しますと東京の地理感が有る方にはおわかりいただけるかとおもいますがスペイン坂があるあたりです。(何とざっくりした説明!)駅で申しますと東京メトロの六本木1丁目駅から歩いてスペイン大使館を目指して歩いてゆく坂のある界隈です。(土地感が無い方すみません。かくゆうわたくしも全然土地感がなく何と説明してよいものか・・・)
場所の事はこのくらいでご容赦頂くとして、なぜここが印象的だったかと申します。写真でもお分かりかと思いますがビルに囲まれた大都会の一角でありながら、いづこかの水辺に迷いこんだかのような風景が眼前に突然広がるかの様に現れたからです。(実際迷いこむようにしてふらっとここに入ってきました。)脇には写真のような掲示板が有りました。チガヤやススキの群集、アズマネザサ,ススキの群集とあります。庭というよりも環境を作っているといった感じです。後から調べると、この森タワーを造るにあたり、地域の住民とともに、デベロッパーは何度となく勉強会をひらいているとのこと。この場所に「孫子の代まで住み良い環境をのこす」というテーマでどのような物を作るかを計画して行った様です。勉強会は平成元年にはじまり、実際着工したのは21年と書かれていました。(もちろん庭だけでなく建物の計画にも時間が費やされているのでしょう)
中を散策してみると上のような表示が有りました。枯れ木は生物多様性を保全する上で必要で、生物の繁殖や採食の場所と書かれており、左の写真のように実際枯れた植木を処分せずに残してありました。(決して、手入れが行き届かず、ほったらかしにしている訳ではございません!)
枯れ木を残し、生物多様性の保全を考えているとあれば、ビオトープといった環境を作る造園手法が思い浮かびます。ですが、庭は上の写真のように整備された園路があったり、園路の途中には上の右写真のようにポンプで水を循環させるための水源地も人工的な感じにつくってあることをカモフラージュするわけでもなく、ビオトープが持つイメージとも違って、とても整備された都会の中の空間といった印象を受けるのです。ですが、この空間のテーマはもともとこの辺りに見られていたような風景、環境を意識してつくることにあるようで、単に都会のオアシス的な水の有る空間を作るという事だけにとどまっていないような感じを受けました。あーだこーだと理屈っぽいですが、私どもの目には結構「新しい」庭の作り方に映った場所でした。
高層ビルを背景に見る木立
野芝が敷かれた部分
自然風景式の庭園といった感じでもなく人工的な植えられ方の低木群。しかし全体としてみれば、元々のこの地の環境を縮小した空間になっています。