はるばる秋田へ!
はるばる秋田へ!
2016年6月28日火曜日
6月24・25日で秋田県の福岡造園の福岡さんに会いに行ってきました。
今年1月の街路樹サミットで 福岡さんの講演を聞きました。
それまで街路樹を見て、いろいろ感じる事があっても 気になった事を尋ねる事はありませんでした。でも、とても感銘し、市役所へ質問に行こう!という勇気をもらいました。
福岡さんは地元の街の木(街路樹、公園の木)が木の姿でなくなっている事に危機感を感じ、
街の木がみんなの庭の様になって、人も緑も生き生きと暮らせる様に...と、コツコツとボランティアで様々な活動をされて10数年のベテランでいらっしゃいます。
来年は関西で街路樹サミットを開催します。
関西でもぜひ福岡さんの活動を知っていただきたく講演の依頼をお願いしました所、快諾していただく事ができました。
サミットのお話などできれば...という事もあり、初の東北へ飛んで来ました。
その時の様子を少しお届け致します。
樹齢700年のケヤキ。あっぱれ!
もともとの株もとが傷んでしまっています。脇から出た幹が伸びて数百年の歳月をいきてきました。
街路樹は県・市・町の道路の管轄で管理されているため、剪定方法の統一が難しいのが通常ですが、こちらの町では、
県・市・町の道路をすべてを町が一括で手入れをしているそうです。ケヤキがケヤキらしく街で育っていました。
ケヤキのトンネル
分単位のスケジュールで案内していただきました。
街の木(街路樹、公園の木)。
樹齢300年など巨木に育ち続けている木。
弘前公園のサクラの木。
福岡さんの造られたお庭。
道中、自然の木々の素晴らしさにも触れる事ができました。
どの街でも
この姿が普通になったら素晴らしい!!
道路に電線はつきもの。
でもその下に街路樹のスペースがある場合が大半です。その為、電線の下でバッサリ切られてしまうのが、常識になってしまっています。
本当にそれで木は大丈夫? その姿は街をどのような印象にしているのでしょうか。
街の木 その1
街の木 その2
円錐形がイチョウの姿と思われがちですが、それは人の手が入っているから。
無理矢理 その形にしなくてもいいのでは...。
福岡さんの指導で、従来のイチョウの形にとらわれず、電線と共生できる姿に変化していっている様子。
触れる枝だけ切る。 伸ばしていける枝は残す。
枝の高さが違っても違和感ありません。
電線と共存しているケヤキ
道路側の枝
車に合わせた空間
歩道側の枝
人に合わせた空間
街の木 その3
図書館の横に すばらしい
プラタナス(スズカケノキ)!
数年前はブツ切りだったそうです。
数年かけた福岡さんの手入れによって 、自然樹形のプラタナスに育っています。街路樹で見かけるスズカケとちがっておおらかですね。
(他にも盛りだくさんの見学をさせていただきながら、
秋田に到着したその日の夕方には、青森県弘前公園まで移動。すごい。。。)
弘前公園のお堀の両側には ソメイヨシノが植わっていました。
100歳以上の木が300本程あるそうです。ソメイヨシノの樹齢は60年といわれたりしますが、ここにいいお手本があります。
幹の傾きと反対方向へ枝を伸ばし、木が自らバランスをとっている姿。そこにあった環境に木が合わせた姿が自然樹形だと福岡さんはおっしゃいます。
ここではその姿を乱さない様に手入れをされていました。
全体的には樹高をおさえ、枝の張り幅をひろげる形です。
幹は掘りの方へ傾いています。
木が痛んできたから伐採する。と、いうのではなく、生かして行く。というのが弘前公園の根本にある手入れの仕方だそうです。次に伸ばして行ける若い枝を大事にたもちながら、更新して行くというやり方は、まねしたいところです。
かなり古い幹ですが、新しい枝が 伸びて来ています。
日本最大幹周の 115歳くらいの ソメイヨシノ。
根元は土壌改良をした様子がありました。
剪定・施肥・土壌改良の組み合わせで手入れをされているそうです。
(二日目は青森 十和田湖・奥入瀬を回りながら 秋田へ移動です。)
移動の途中の鉄橋からの撮影。
強風で谷へ飛ばされそうでしたが、絶景でした。
でもいい写真がなく残念。
自然観察 その1
街の木 その4
自然観察 その2
国立公園内ので剪定など手入れは入っていないそうです。適当に空間があり、木陰と見通しのいいブナ林の緑のトンネル。気持ちのいい道路でした。街の緑のありかたの参考にできるのでは。
雪の重みで樹形が斜めになっている幼い木々。
ミズ(ウワバミソウ)。
晩ご飯で、ミソ和えをキュウリにつけて
いただいたはっぱがここに!
(さらに進むと、川らしきものがみえてきました。)
(いよいよ奥入瀬渓流です)
自然観察 その3
昭和24年の大火の際、
ケヤキが火を止めてくれたそうです。
もともとはお寺があったところで、移設され、その後この地に国道が通る事に。
大火事をとめてくれたケヤキを残したいとの住民の声が高まり、国道のコースを変えて、ここが公園になり、一部が街路樹になったとのこと。300年の樹齢のケヤキの街路樹もこのそばに残っています。
木の防災の効果のはなしとしても、都市計画の話としても、住民の方々、地域の歴史の話としてもすばらしいですね。
かなりテンションが上がった瞬間の景色。
自然観察をし、どのように自然の姿を庭づくりに、そして街の木々に活かせるか...。
福岡さんのお話を伺いながら見て回る事ができました。
街の木 その5
この木のすぐ近くには民家がならんでいますが、落ち葉はだれも気にする事無く、道に積もっているそうです。
おおらかでいいなー。
街の木 その6
風の松原
200年前に防風林として植えられたそうです。
裸地がなく、原っぱが多いのがいいなー。と思いました。
丘に上がると...。
じゃ〜ん。幹周が6位のケヤキ。この木は数本のケヤキがくっ付いて株立ち状になっているとのこと。防風林の作られ方が忍ばれる姿です。
街の木 その7
街の木々は関西では見られないボリュームでした。
一部の写真ですが 秋田、青森の清涼感を感じていただけましたら何よりです。
そして、みなさんの近くの街の木に興味を持っていただけると幸いです。
充実した一泊二日の贅沢な旅を 福岡さんのお陰で出来ました。
本当にありがとうございました。
これからもコツコツ街の木のボランティアもがんばりたいと思います。
そして、兵庫の自然観察もしていきたいと思いました。
あまがえるy